ペニーブラック、ペンスブルー、ペニーレッドのプレーティングガイド

目次

プレーティングとは

こんにちは。

イギリスクラシック切手を代表する切手と言えば・・・やはりペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドではないでしょうか。これらはイギリスクラシック切手のみならず、クラシック切手全般という大枠でも代表格と言える切手です。

そしてこれらの切手を収集するにあたり、最も難解且つ困難で楽しめる専門収集と言えばそれはプレーティングです。

ペニーブラックを始めこれらの切手は同じ図案であっても、複数の鋼製の原版から印刷されたので微妙な差異が存在します。そしてこの差異から得る情報でその切手がどのプレート(版)で刷られたものかを特定する作業をプレーティングと呼びます。

正直、プレーティングを正確に行えるようになるにはもしかしたら長い年月がかかるかもしれません。それぐらい極めるには険しい道です。事実、本国イギリスでは有償でプレーティングを請け負う専門業者も居るぐらいです。

しかしプレーティングを自分で行えるようになると、ペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドの収集に深みが増します。これらの切手を最も知り尽くす事ができる喜びを味わえるのはプレーティング以外にはありませんし、生涯に渡って楽しめる趣味である事も魅力のひとつです。

またペニーブラックに始まりペンスブルーやペニーレッドは、プレートによって評価額にも実際の取引価格にもかなりの差があります。プレーティングができるようになる事で、手持ちのこれらの切手を正しく評価できる基準ともなります。

このページでは『ペニーブラック、ペンスブルー、ペニーレッドのプレーティングガイド』として、これからプレーティングに挑戦してみよう!と考えている人の為にプレーティングのノウハウをお伝えしていきます。

プレーティングで分かる事

プレーティングする事で以下の様な事柄が分かるようになります。

  • 正確な発行年月日
  • 使用例(消印)の真贋
  • 各プレートで刷られた枚数
  • 各プレート固有のエラーやバリエーション
  • 各プレートが用いられる事になったバックグラウンド
  • プレートに依る正確な価値(評価額)

こうした事柄がプレーティングする事で判明します。ペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドの収集の幅を広げ、尚且つコレクションに深みを持たせてくれるプレーティング、是非挑戦してみてください。

プレーティングの対象となる切手

プレーティングの対象となる切手は5種類です。

  1. ペニーブラック
  2. ペンスブルー(無目打)
  3. ペンスブルー(スター)
  4. ペニーレッド(無目打)
  5. ペニーレッド(スター)
プレーティング対象となるペニーブラック、ペンスブルー、ペニーレッド
プレーティング対象の切手

上の5枚がプレーティングの対象となる切手で、これらとは別にペンスブルーとペニーレッドにはプレートタイプと呼ばれる切手があります。※上図では写っていませんが無目打ペンスブルーのホワイトラインなしもあるので対象としては全部で6種となります。

プレーティング対象にはならないスタータイプのペンスブルーとペニーレッド
プレーティング対象とはならない切手

この2種類はプレーティングの対象ではありません。

違いは何かと言うと、切手上部左右のパーツがスターかアルファベットかの違いです。下の2枚については上部左右もアルファベットになっています。これらの切手は画像では見づらいかもしれませんが、印刷に用いられたプレートの番号が切手表面に印刷されているのでひと目でプレートがわかります。従ってここで言うプレーティングの必要がありません。ただしプレート番号(2桁または3桁の数字)は肉眼では見えにくい事があるのでルーペが必要です。

切手下部左右のアルファベットをチェックレターまたはコーナーレターと呼び、プレーティングに際してはこのチェックレターから得られる情報を最も重要視します。また無目打切手に関しては切手上部左右の余白(マージンと言います)の有無も重要です。

一方で最初の5枚(6種)は上部左右がスターと言われるタイプです。このスタータイプはプレート番号が印刷されていませんのでプレーティング作業を行いプレートを特定する必要があります。

ペニーブラックは無目打しかありませんが、ペンスブルーとペニーレッドの無目打はプレーティング対象です。加えて目打有りペンスブルーとペニーレッドのスタータイプもプレーティング対象となる、と覚えておいてください。

プレーティングに適した切手とそうでない切手

プレーティングをするにしてもなんでもかんでもプレーティングができる訳ではありません。特に無目打の切手は発行当時にハサミでシートから切り取られて使用されていたので、切り取られ方によってはプレーティングに適さない物もありますので順に解説していきます。

プレーティングに適した切手

プレーティングに適した切手
プレーティングに適した切手

最もプレーティングに適した切手は、4マージン(切手の上下左右に余白がある事)であると共に使用済みの場合は消印がチェックレターにかかっていないかかかっていても軽微な物が理想的です。

まずまずプレーティングに適した切手

まずまずプレーティングに適した切手
まずまずプレーティングに適した切手

4マージンではないもののチェックレターの情報がほぼ読み取れる切手はプレーティングにまずまず適しているでしょう。チェックレターが完全ではない場合、上部左右のスターやその他印面全体の情報をも使ってプレーティングする事になるので少々難易度が上がります。

プレーティングに適さない切手

プレーティングに適さない切手
プレーティングに適さない切手

プレーティングに適さない切手は4マージン以下でチェックレターの大部分が切れてしまっている物や、使用済みの場合は消印がチェックレターを隠してしまっている物などが該当します。左の切手は0マージンなのでチェックレターそしてスターも正確に読み取れません。こうした切手でもチェックレターによっては非常に顕著な特徴を備えているプレートの場合は容易にプレーティングを行える事がありますが、そうではない場合情報量が乏しいので正確なプレーティングは非常に難しくなります。

入手するなら4マージンがオススメ

以上の事から4マージンでチェックレターが綺麗に見えている物が最もプレーティングに適した切手だとわかりました。従ってこれからプレーティングの為にペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドを購入されるのであれば、できるだけ4マージンの物を購入するようにしましょう。仮にチェックレターに消印がかかっていて見づらくても、4マージンであればチェックレター以外の情報を得られやすいのでプレーティング作業が捗りますし正確なプレーティングが可能です。それに何より見た目にも美しいですよね😊

切手のタイプ4マージン最低購入価格※1枚あたり概算
ペニーブラック3万円〜
ペンスブルー(無目打)6万円〜
ペンスブルー(無目打)ホワイトライン1万円~
ペンスブルー(スター)3000円〜
ペニーレッド(無目打)1000円〜
ペニーレッド(スター)300円〜

ざっくりですが4マージン(目打有スタータイプはできるだけウェルセンター)使用済み1枚の最低購入価格はこれぐらいを考えておきましょう。

最低ラインの購入価格なので4マージン以外にさしたる魅力のないものでこれぐらいの価格になりますが、4マージンであっても状態の悪い物(傷物)はもっと安く購入できます。使用済みですからこれに消印の種類や状態が加味される事になり、希少な使用例になればなる程に価格は文字通り天井知らずに高くなります。またペアやストリップ或いはそれ以上のブロックになればなるほどにこれも価格が跳ね上がります。事実ヨーロッパのフロアオークションでは希少ブロック等は数千万円から数億円と言う金額で落札されています。

例えばペニーレッド(無目打)に赤色のマルタ十字消印が押されていれば20万円でも購入できませんし、この中で最も安価なペニーレッド(スター)でも目打や用紙に刷り色そして消印など様々な要素が加味され、希少な物では100万円を超える物も存在します。ペンスブルー(無目打)で赤マルタ十字消印が8割以上入って押されていれば軽く5万円を超えてきます。

もちろん既にプレーティングされているものであればプレート毎に評価額も異なってきます。希少なプレートで刷られた物はそれだけ高額になります。例えばペニーブラックのプレート11であれば使用済みで最低でも50万円程度必要です。或いはプレート自体は希少でなくともプレート固有のエラーやバラエティを備えた個体は非常に高額で取引されています。

そして昨今、ペニーブラックやペンスブルーは価格が高騰してきています。

裏書きされたプレート番号はアテにしない事

プレート番号が裏書きされた切手
プレート番号が裏書きされた切手

収集しているとこの様にプレート番号が鉛筆で裏書きされた切手に出くわす事が結構ありますが、同じプレート番号が記載された鑑定書でも付いていない限りは信用しないでください。

これはかつての所有者や切手商が、後述する「一昔前のプレーティング方法」でプレーティングした名残です。

一昔前のプレーティング方法では、元となる往年の専門書籍に記載されている情報自体が間違っている場合がある事が現代で判明している物が多々ありますので信頼に値しません。或いは素人がプレーティングしただけかもしれません。

実際自身でプレーティングすると裏書きのプレート番号が間違っている事が多々ありますので、一切信用せずに例え裏書きがあったとしても自分でプレーティングする様にしてください。

各切手のプレートの数と難易度

一口にプレーティングと言っても、使われたプレートの数の大小で難易度は大きく異なります。

最も簡単なのがペンスブルー(無目打)でプレートは4種類しかありません。ペンスブルー(無目打)にはパッと見てわかるレベルで2種類に分類でき(ホワイトラインの有無)、それぞれの種類で使われたプレートは2種類づつしかないので最も簡単です。次いでペンスブルー(スター)でこちらもプレートは3種類とごくわずかです。

ペンスブルーの次にプレーティングが容易なのはペニーブラックです。ペニーブラックで使われたプレートは12種類しかありません。

一方でペニーレッド(無目打)ではペニーブラックの印刷で使われた物と同じプレート(1b、2、5、8、9、10、11)で刷られた7種類に加えて、専用プレートで刷られた12〜177まで非常に多くの種類のプレートが存在しています。更にペニーレッド(スター)ではプレート176〜204、R1〜R6、1〜68そしてR15〜R17と更に多くのプレートが存在しています。事実ペニーレッドで使われたプレートは約427種類にも及びますのでプレーティング作業の中でも最も困難です。

一昔前のプレーティング方法

ネットが普及する前のプレイーティング手段と言えば、それ専門の書籍を複数冊用意して行うという方法が一般的でした。

“The Plating of the Penny”に代表されるいくつかの書籍は今でも古書で出回っていますが、今となっては少々手段としては古臭いと言わざるを得ない手法です。

プレーティング自体現在に至ってもその全てが解明されている訳ではなく、日々ネット上のフォーラムなどで専門家やコレクターが活発にやり取りしています。これらの書籍が発行されてから以降も新しい発見は数多くなされていますが、書籍はその性質上発行後に発見された新しい情報は盛り込まれていません。しかも書籍自体にも記述の誤りがあったりするので残念ながら古い情報しか記載されていない書籍や部分的に誤った内容が記述された書籍に頼るプレーティング作業は不正確なものになってしまいます。

もちろん補助的に今でも有用な書籍というものはいくつかありますので、興味のある方は別途ご自身で調べて入手しても良いでしょう。

因みに私はこれから解説するプレーティング方法に完全に移行したので持っていた書籍は全て売却しましたが、これら書籍を使ったプレーティングが有効ではないという事ではありません。

またスタンレーギボンズの専門カタログについては必須の書籍となりますので後ほど詳しく解説しています。

現代流のプレーティング方法と必要な道具類

現代においてのプレーティングは、ネットが発達した利点を最大限に活かした方法がベストです。そのため少々準備に初期投資が必要になりますが、私も行っている下記の方法をオススメします。

昔に刊行された専門書籍だけでプレーティングを行うにしても、今では入手困難な書籍もありますのである程度の初期投資はいずれにしても必要です。であればこれから説明する方法にお金を使った方が有効だと思います。

高解像度データを購入する※必須

STURMINSTER STAMPSで、ペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドの全てのチェックレターの高解像度写真が収録されたCD-ROMを購入します。

プレートのデータ

例えばこれはペニーブラックとペンスブルー、ペニーレッド(無目打)のチェックレターDCのプレートのデータです。お持ちのペニーブラックのチェックレターがDCの場合はこの高解像度データと見比べる事でどのプレートで刷られたチェックレターDCの切手なのかがわかるという事です。正確に見比べる方法があるのでそれは後述しますが、本をめくるスタイルのプレーティングよりも断然早くて楽で正確です。

全部で10枚のCD-ROMは各35ポンド。1枚あたり日本円で7000円ちょっとで購入できます(2024年7月のレートで計算)。全部購入しても送料を入れてざっくりですが8万円程度で購入できます。

もちろん全てを一気に買う必要はありませんので、例えばペニーブラックのデータだけ欲しい場合は該当のデータが収められたCD-ROMだけを購入しても構いません。ですが海外からの購入の手間暇と今後ペンスブルーやペニーレッドのプレーティングまで行う予定であれば1回で全部買った方が楽です。

因みにこのCD-ROMは定期的に中のデータがアップデートされています。2年おきぐらいに販売元に購入証明と共に「アップデートはあるか?」と尋ねればアップデートがあれば教えてくれますし追加でいくらか払えば最新版のCD-ROMを送ってくれます。

詳細は英語でのやり取りになりますが上記リンクのSTURMINSTER STAMPSに直接お問い合わせください。尚、ヤングスタンプで代理購入して欲しいという場合は当サイトトップページ下部にあるお問い合わせフォームからその旨お尋ねください。ただし手数料として購入代金の10%を頂戴すると共に全額前払となります。送料についてはまず販売元から当方までの送料に加えて、当方から貴方様への送料もかかります。

従って直接購入される方が安いので少しでも安く買いたい場合は各自でやり取りの上で購入してください。

フォトショップを購入する※必須

アドビが販売しているフォトショップという画像編集ソフトを購入してください。

先程紹介したプレートの高解像度データを購入したら、それをフォトショップで読み込むのと同時にお持ちの切手を高解像度でスキャンしたものとを重ね合わせ、合致するプレートを調べていくという作業になります。これはフォトショップに備わっているレイヤー機能やガイド機能等を使って行う必要があるのでこのソフトは必須です。

尚、現行バージョンのフォトショップ CCは月額なら2,728円で使うことができます。年払いの方が多少安いかと思います。

スタンレーギボンズの専門カタログを購入する※必須

イギリスクラシック切手を詳しく解説しているカタログは、やはり本家スタンレーギボンズが代表格ですね。

スタンレーギボンズではイギリス切手を中心に様々な切手カタログを販売していますが、この中でプレーティング作業に必須のカタログを紹介します。

SG専門カタログ旧刊
SG専門カタログ新刊

赤いほうがスタンレーギボンズの専門カタログ旧刊です。既に廃刊となっているのでこちらの入手はアマゾンなりで探すしかないようです。一方で青い方が新刊でこちらはスタンレーギボンズの商品ページから購入できます。

内容としてはペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドの歴史から製造過程、テスト印刷といった前知識的なものから各プレートが使われた時期や詳細な情報、評価額などプレーティングに必要な事柄が網羅されています。

どちらか1冊で構わないのでスタンレーギボンズの専門カタログは必ず持っていてください。これがないとお持ちの切手のプレートが判明してもそこから何も得られません。

新刊の価格はは54.95ポンドプラス送料で購入できます。

旧刊と新刊なら迷わず新刊を買った方がいいです。情報量も旧刊に比べてかなり増えていますので是非入手しましょう。

先に紹介したプレートデータCD-ROM同様に代行での購入も可能です(スタンレーギボンズのサイトから新刊購入に限ります)。送料込みの購入代金の10%を手数料として頂戴すると共に全額前払です。送料についてはまず販売元から当方までの送料に加えて、当方から貴方様への送料もかかります。ご依頼の際はトップページ下部のお問い合わせフォームからご連絡ください。

スキャナー※必須

スキャナーも必要ですが安価な物で構いません。数千円で購入できます。

最低要件としては600dpiでスキャンできる性能があればなんでもいいです。私はCanonのLiDE220というパソコンとUSB接続で使える安価なスキャナーを使っています。

最も専門的なプレーティング書籍を購入する※任意

DR.KENNETH W. STATHAM著の『THE ESSENTIAL GUIDE TO THE GREAT BRITAIN LINE ENGRAVED 1d AND 2d STARS 1840 –1864』という書籍があります。

30年以上ペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドの研究に携わってきた氏の研究結果の集大成とも言える専門書籍です。

化粧箱入り
内容は最も専門的

全18巻で化粧箱に入っており、スタンレーギボンズの専門カタログですら到底足元にも及ばない詳細なデータが記されています。事実、これ以上詳細に各プレートのデータが網羅された書籍は他にはありません。正にプレーティングのバイブルと呼んでも差し支えのない専門書籍です。

プレーティング作業の過程でプレートの特定が難しい切手に出会う事はなかなかの頻度で発生しますが、そんな時にこの書籍を紐解けばかなりの助けになります。事実私はこれまでペニーレッドを中心に述べ数万枚もの切手をプレーティングしていますが、プレーティングが困難な物に行き当たった際は必ずと言っていい程この書籍に助けられています。

ペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドのプレーティングを極めるなら持っておいた方がもちろん良いのですが、購入代金は送料を入れると日本円で中古品でも10数万円と高額になります。新品は今は販売していないかもしれませんし、販売していてもフルセットですと20万円近くになるかもしれません。

私が購入した時はゆうパックで言うところの120サイズまたはそれ以上の大きな箱で2箱でした。もうはっきり覚えていませんが送料だけでも1万円以上したかと思います。

THE ESSENTIAL GUIDE TO THE GREAT BRITAIN LINE ENGRAVED 1d AND 2d STARS 1840 –1864はEric Paul Stampsで購入できます。

こちらも英語のみのやり取りとなりますので不安な方は購入代行をご依頼ください。他の物同様に送料込み全額前払でヤングスタンプの手数料は10%です。送料についてはまず販売元から当方までの送料に加えて、当方から貴方様への送料もかかります。

プレーティングの手順

必要な物は全て揃いましたか?揃っていないならば先に揃えましょう。必須と書いた物がひとつでも欠けているとプレーティングは行えません。

これから解説するプレーティング方法は現代流且つ私が日常的に行っている方法ですが、高解像度データとスタンレーギボンズカタログそしてフォトショップとスキャナーが揃っていないとできません。

以上の必要な物が全て揃っている前提で、ペニーブラックを使って実際のプレーティング手順を説明していきます。

スキャンする

まずプレーティングしたい切手(ペニーブラック、ペンスブルー、ペニーレッド)をスキャナーを使ってスキャンします。

この時必ず600dpiでスキャンしてください。600dpiですとスキャンするのに数十秒かかりますが、これ以下の解像度でのスキャンではプレーティングに使えませんので注意してください。

スキャンしたペニーブラック

スキャンが完了したらフォトショップで開き、上の画像の様に余白を少々残した状態で切り抜きます。

高解像度データを開く

購入した高解像度データのCD-ROMからペニーブラックのチェックレターQHのファイルをフォトショップで開いてください。

QHのデータ

これがチェックレターQHのプレートデータです。

スキャンしたデータをプレートデータに重ねる

先にスキャンしたペニーブラックの画像を、プレートデータの画像にドラッグアンドドロップして重ねて表示させます。

画像を重ねる

この様にスキャンしたデータをプレートデータの画像に重ね合わせます。

この時スキャンしたデータの方(レイヤー)がかなり大きく表示されているはずなので、サイズ調整でプレートデータに掲載されているペニーブラックと同じサイズになる様に調整してください。必要であれば傾きも微調整します。※傾きの微調整はガイド機能を使うと便利です。

またこのままでは重ね合わせた時にプレートデータの画像が見えなくなるので、スキャンした方のレイヤー透明度を60~70%程度にして少し透ける様にしておきます。

照合してプレートを特定する

ペニーブラックにプレートは12種類しかありませんので、スキャンしたペニーブラック(透けた状態です)をプレート1Aと書いてあるペニーブラックから順にドラッグしつつ重ね合わせて照合していきます。

必ずぴたりと一致する物がありますので、それが調べたいペニーブラックのプレートだとわかります。

一致したプレート

このペニーブラックの場合はプレート1Bの高解像度データとピタリと一致したので、プレート1Bで刷られた物だとわかりました。

※スキャンデータの方は細かいサイズ調整をして必ず1枚1枚のデータ側とジャストフィットさせてください。プレートによっては非常に微細な差異しかない物もあり、前提としてジャストフィットさせないと正確に合致するプレートを特定できません。ジャストフィットの際はリサイズや傾きの調整だけでは困難な事がありますので、その際は自由変形などの機能も使うようにしてください。

一致するものがない場合や一致していそうなものが複数ある場合

一致するものがないという事はありませんのでどこか何かを見落としています。今一度順番に照合してみてください。

一致していそうなものが複数ある場合は、似たようなチェックレターのプレートが複数存在する場合に発生します。しかし実際にプレートを調べたい切手と一致するプレートは1つしかありませんので、どれかが正解で残りは間違いだという事になります。

チェックレターだけでは一致するプレートの判別が困難な場合、切手上部左右のスターの部分でも照合してみてください。スターもピタリと一致するものがあればそれが調べたい切手を印刷したプレートだとわかります。

スターまで照合してもまだプレートがわからない場合は、先程紹介したスタンレーギボンズの専門カタログ等の専門書籍を開いてみましょう。※スタンレーギボンズの専門カタログで解決しない場合は、先程紹介した高額な書籍『THE ESSENTIAL GUIDE TO THE GREAT BRITAIN LINE ENGRAVED 1d AND 2d STARS 1840 –1864』の出番です。

専門書籍には例えばチェックレターがQHのペニーブラックでも、プレート毎に持っている印刷時のエラーや特徴等が(あれば)記載されていますので、それらの情報を手がかりにする事で最終的にプレートを特定する事が可能です。

プレート数の少ないペニーブラックやペンスブルーではここまでの事になる事態はそれ程起こりませんがペニーレッドでは頻繁に発生します。プレート数が多いペニーレッドでは似たようなチェックレターの形状というのは必然的に多くなるので、プレートの特定が非常に難しい個体も結構あります。

あらゆる専門書籍を使って調べても尚プレートが特定できないものは、ネットで情報がないか調べるか或いは有償になりますがプレーティング業者にプレーティングを依頼するという手もあります。

プレーティングの代行を承ります

ヤングスタンプではペニーブラック、ペンスブルー、ペニーレッドのプレーティングを代行します。※1枚からでもお受けします。

できればプレーティングはご自身で楽しんで頂くのが一番ですが、様々な事情がありご自身でプレーティング作業が困難であれば、当店が代わりにプレーティングを行います。

ただしプレーティングするには個々の切手の情報が最大限必要になりますので、下記の条件を満たした切手に限ります。

  1. 4マージンの物
  2. 3マージン以下だがチェックレターとスターは外枠も含めて完全に残っている物

プレーティングにおいてチェックレターとスターは完全な状態で残っていないと正確なプレーティングは行なえませんのでご了承ください。またチェックレターとスターが完全に残っていたとしても経年のスレで印刷が極端にかすれてしまっている物も正確なプレーティングはできません。

尚、ペアやストリップ或いはそれ以上のブロックの場合は、どれか1枚だけチェックレターとスターが完全に残っていればプレーティングが可能ですのでこの限りではありません。

ご依頼の流れは下記の通りです。

STEP
まずはお問い合わせください(お客様)

トップページ下部のお問い合わせフォームから気軽にお問い合わせください。

どの切手(ペニーブラックかペンスブルーかペニーレッドか)を何枚程度プレーティング依頼したいのかお教えください。

STEP
お見積りの返信(当店)

折返し大体の納期と費用(プレーティング代金及び返送時の送料)を記載したお見積りを返信します。

STEP
お見積もり内容のご確認(お客様)

お見積りの内容でご依存なければ正式にご依頼の旨を返信ください。

この時点でお客様の

  • お名前(フルネーム)
  • ご住所
  • 電話番号

を併せてご連絡頂きます。

STEP
ご依頼分の切手の送付とお支払い(お客様)

郵便事故などで未着となると面倒ですから追跡番号のついた発送手段(特定記録やレターパックなど)で発送してください。また発送後は追跡番号をこちらにご連絡ください。

また支払い方法は銀行振込となりますので指定の振込先にお振込みください(振込手数料はご負担ください)。

STEP
入金確認とプレーティング(当店)

当店でお支払いが確認できましたら、ご依頼頂いた切手のプレーティングを行います。

枚数にもよりますが10枚ならば1週間程度で完了します。

STEP
完了のご連絡(当店)

ご依頼分のプレーティングが終わり次第完了のご連絡をメールで差し上げます。

当店から個々の切手のプレート番号を添えて書留にて返送しますので追跡番号もご案内します。

STEP
お受け取り(お客様)

書留なので配達員からお受け取りください。

以上で完了となります。

以上がプレーティング代行の流れです。

万が一当店が(店主の私が)多忙の際は大量のプレーティング依頼はお断りする場合がございます。悪しからずご了承ください。また、海外からのご依頼は全てお断りしています。

日本でプレーティング請負をしているのは恐らく当店だけのはず。これらの切手への理解を深める為、収集に奥行きを持たせる為に是非ご利用ください。

プレーティング料金について

切手の種類に応じた1枚あたりのプレーティング料金です。

切手の種類1枚あたりのプレーティング料金
ペニーブラック5000円
ペンスブルー(無目打)2500円
ペンスブルー(スター)2500円
ペニーレッド(無目打)5000円
ペニーレッド(スター)5000円
2024年7月時点での料金です

一度に10枚以上をご依頼の場合はプレーティング代金から10%割引します。

まとめ

ペニーブラック、ペンスブルー、ペニーレッドのプレーティング方法についてここまで解説してきましたが如何でしたでしょうか。

これまでの年月で何冊か発刊されてきた専門書籍だけを頼りにプレーティングをするのも全然構いませんが、実際にプレーティングの世界では日々同好の士や専門家がネット上で盛んにディスカッションしていますし、その中で新たな発見も度々されています。

こうした事からも定期的に内容がアップデートされる高解像度データを入手してプレーティングを行う方がより合理的で正確だと思いますし、事実私はその様に感じたので書籍はあらかた処分して現在のスタイルに完全移行しました。

プレーティングはペニーブラックやペンスブルーそしてペニーレッドをより深く研究する上では必須です。プレートがわかれば具体的な印刷時期がわかるのはもちろん、ペニーレッドにおいては押された消印が妥当なものかどうかという真贋の判定もできるようになります。

揃える必要があっても入手が面倒な物もありますが、一度揃えてしまえばずっと使える物ばかり。そしてプレーティングはステイサム博士の様に生涯を捧げて探究する価値のある専門分野です。

今の日本にプレーティングを行える人が何人居るか知りませんが(数年前に高解像度データを購入する際日本人では貴方が2人目の購入者ですと販売元に言われました)、世界的に見ればペニーブラックに代表される世界初の切手をとことん研究されているコレクターは数多いらっしゃいます。

是非この記事を読んだ貴方も、奥の深いプレーティングの世界へ一歩踏み出してみてください。きっと一生の趣味になることでしょう😊

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • 高解像度データを購入する※必須

    の写真の一番右下の2ペンスは、黒くて無目打ちなのですが、これはいったい何なのでしょうか?

    • これも目打ちありのペンスブルーです。
      どういう訳かわかりませんがこのデータ集に限らずスタンレーギボンズの専門カタログでも目打ちありの切手でも度々目打ち部分をカットしたデータが用いられる事があります。

  • この写真と同じ、黒くて無目打ちの2ペンスを持ってます。

    ありがとうございました。

  • 質問した切手と同じと思われる切手を持っています。
    黒くて目打ちのない2ペンスです。
    この切手は本物ですが責任の保証はしません。みたいなことが書かれた鑑定書
    がついています。

    よくわからない切手ですね。

    • 無目打ちのペニーブラックとペンスブルーは贋作も多数で回っていますが、本物と偽物は実物を見ればすぐに見分けがつきます。
      それにしても珍しい鑑定書をお持ちの様ですね。
      或いはその鑑定書の方に価値が生まれる可能性すらありそうです。

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